
そんな疑問に答えます。
仕事の価値観とは、働くうえで本当に大切にしたいことを見極めること。そして、自分独自のキャリアを築く基礎となる考え方です。
この記事では、キャリアの方向性を見極める専門家である私が、14年以上の経験に基づいてお話をすすめます。
まず始めに仕事の価値観とは何か、その基本のキを分かりやすく解説します。次に、ご自身にぴったりの価値観を見つける具体的な自己分析の方法。さらに、見つけた価値観を面接で自信を持って伝えるための面接術のコツも、順を追ってお話ししますね。
追伸:本文の最後に素敵なマニュアルのプレゼントをご用意しています。
- 記事を書いている人の専門性と実績
経歴:
新卒8ヶ月での挫折退職から再出発。26年の会社員経験(10年は複業)を経て起業。現在は個性を活かす道を拓く会社を経営。
専門:
仕事をする上での価値観を大切にする人を含む、2000人超の女性指導実績。本当の強みを発見し、人生を新たな方向へ導くプロ。やりがいのある転職から起業まで、前職や年齢を超えた女性の夢実現に定評。
メディア/著書:
日本経済新聞、日経WOMAN他多数掲載。著書「私はこの仕事が好き!自分の”強み”を活かして稼ぐ方法(大和出版)」
仕事の価値観の基本
仕事の価値観とは、仕事で最も大切にしたいことや実現したいこと。また、これだけは譲れないと思うその人ならではの判断軸を指します。
この価値観は、日々の仕事ぶりや転職など大切な選択をするときに影響します。無意識のうちに行動や決定を左右することもあるのです。
たとえば「お給料をしっかりもらいたい」という考え。また「自分の時間を大切にしたい」という願いもそうです。「専門スキルを磨きたい」「良い仲間と働きたい」なども価値観にあたります。
この仕事の価値観は、車にたとえるならエンジンのようなもの。働くうえでの、中心的なエンジン部分です。
日々のやる気を引き出す源となるでしょう。それはモチベーションの泉ともいえる大切なものです。
最後までじっくりお読みいただければ、仕事の価値観をすっきり語れるようになるはずです。
価値観は人それぞれ十人十色の理由
仕事の価値観は、人それぞれ違います。個人の性格や経験、育った環境などが影響するものです。
私の運営する講座の受講生の例ですが、その方は仕事が安定すると意欲を失い、新しい環境を求めました。
期間が決まった仕事を好んでいました。仕事に慣れて実力を発揮し始めると、会社から正社員への誘いがしばしばあったそうです。
しかしそうなると、やる気を失い転職したくなるのです。新しい挑戦を求めるサイクルを繰り返していました。
これは「常に新しい刺激や変化を求める」という、その方ならではの価値観の一例といえるでしょう。
また、創業期のベンチャー企業を渡り歩く女性もいました。
彼女は「社長が目指す理想を一緒に形にしていく過程が好き」という価値観を持っていました。そのため会社が成長し事業が安定すると、最初の情熱が薄れます。そして再び立ち上げ期の企業へ移る、という働き方を続けていました。
このように、何に心を動かされ、何を重要と感じるかは、人それぞれ異なると理解しておきましょう。
なぜ今仕事の価値観が注目されるのか?
なぜ今の時代、あらためて仕事の価値観が注目されるのでしょう。
仕事に求める「大切にしたいこと」そのものは、時代によって大きく変わるものではないかもしれません。
しかし、社会のあり方や働き方が変化する中で、その捉えられ方や重要性が増してきたと考えられます。
ひと昔前は「一度入社したら定年まで」という考えが一般的。転職情報やサポート体制も、今のように整っていませんでした。
そのため、個々の価値観と仕事が合わなくても問題視されにくかったのです。
ところが現代では、派遣社員、契約社員、フリーランスなど、雇用形態や働き方の選択肢が大幅に広がりました。
これにより、一人ひとりが持つさまざまな価値観に沿って、より自分に合った働き方を選べるようになったのです。
こうした背景から、仕事の価値観への意識が高まりました。
「自分にとって本当に大切なことは何か」と考えるようになったわけです。
そして価値観に基づきキャリアを選ぶ動きが一般的になりました。
仕事の価値観を知る3つのメリット
自分の仕事の価値観を知ることは、大きなメリットがあります。ここでは代表的な3つのメリットを見ていきましょう。
メリット1:納得のいく仕事選びが可能
仕事の価値観を知るメリットの1つ目は、納得のいく仕事選びができるようになる点です。
以前、ご相談に乗った女性の例をご紹介します。
彼女は商業高校を卒業後、派遣で事務職を転々としていました。しかし本心では、高校時代からIT分野に強い興味があり、「いつかITの仕事がしたい」と願っていたのです。
ただ、周囲から「未経験では難しい」と言われ、挑戦を諦めかけていました。
私はこう助言しました。「一般的な話に縛られず、熱意を伝えれば道は開けますよ」と。多くの方は「自分には無理だ」と、周囲の声や情報で挑戦をためらいがちです。
しかし彼女は勇気を出し、転職エージェントに「どうしてもIT企業で働きたい」と熱心に訴えました。その真剣さが担当者を動かし、見事IT企業への転職を成功させたのです。
これは「本当にやりたいこと」という価値観に従い、納得のいく仕事を選べた良い例でしょう。
仕事の価値観は、使い方次第で新たな人生を切り開く強力な武器になります。自分の価値観を信じれば、不可能と言われていた道が開けることも多々あります。
メリット2:働くモチベーション向上
仕事の価値観を知る2つ目のメリットは、仕事のやる気がアップすることです。
たとえば、こんな方がいらっしゃいました。以前、介護職に転職されたある女性のご相談に乗ったときのことです。
彼女は子供の頃、大好きだったお祖母様に育てられました。しかし高校卒業と同時に上京し、お祖母様とは離れて暮らすことに。なかなか会えない日々が続き、お世話もできないまま、お祖母様は亡くなられたそうです。
彼女は、お祖母様にしてあげられなかったことをずっと心残りに思っていたのです。
それまでは事務のお仕事をされていました。でも「お祖母様にできなかった分、他のご老人たちのために何かしたい」。
そんな強い想いが、彼女の中に芽生えたのです。そして、介護の仕事へと一歩踏み出したのでした。
新しい仕事は大変なことも多かったそうです。でも「今度こそ、心を込めてお世話をしたい」。その気持ちが、彼女の大きなやる気になり、壁を乗り越える力につながったと話してくれました。
このように、心の底から「こうしたい」と思える価値観に沿った仕事は、日々の大きな力になるのです。
メリット3:面接で自己PRの質が上がる
3つ目のメリットは、面接で自分を効果的にアピールできることです。価値観が分かっていると、話にスジが通り、相手も納得しやすくなります。
私の講座の受講生にも、良い例があります。不動産会社へ転職した女性です。その会社の社長の「お客様をだまさず、正直に良いものダメなものを伝える会社でありたい」という考えに共感したそうです。
彼女自身、以前の不動産会社で気になる点があったため「次は正直なスタイルで働きたい」と強く願っていました。
面接では、社長の考えと自身の「正直に働きたい」という価値観が合うことを熱心に語りました。
激しい内定競争率だったそうですが、見事に内定を得たのです。 このように、自分の価値観と会社の考えが合うことを伝えられれば、強力なアピールになります。
自分の仕事の価値観は?7つのタイプ
どのような仕事の価値観のタイプがあるのかを具体的に見ていきます。ご自身の価値観を考える上での参考にしていただければと思います。
タイプ1:自己の成長を求める
1つ目の仕事の価値観のタイプは、「自己の成長を求める」です。
このタイプの方は、他人と競うのではなく、自分自身が昨日より一歩でも進むことに喜びを感じます。
「新しい自分に出会いたい」「もっとできることを増やしたい」といった、内なる成長や自己更新への意欲が強い人といえるでしょう。
タイプ2:安定と安心を重視する
2つ目の仕事の価値観のタイプは、「安定と安心を重視する」です。このタイプの方は、創造性が求められる仕事よりも、マニュアルが整備され、決まった手順を正確に守る仕事に安心感を覚えます。
変化よりも、これまでの流れを大切に、着実に物事を進めたいと考える人ですね。
タイプ3:待遇や報酬にこだわる
3つ目の仕事の価値観のタイプは、「待遇や報酬にこだわる」です。
このタイプの方は、他人との競争を好み、勝ち負けによって「やる気」が大きく左右されます。
待遇や報酬への意識も高く、不公平さを感じると不満が大きくなりがちです。成果と報酬が直結する透明性の高い環境で力を発揮するでしょう。
多少人間関係が希薄でも、報酬が伴えば割り切れる傾向も見られます。
タイプ4:他者への貢献に喜びを感じる
4つ目の仕事の価値観のタイプは、「他者への貢献に喜びを感じる」です。
このタイプの方は、たとえお給料が少し低くても、「人の役に立っている」という実感が大きな喜びとなります。
お客様から直接感謝されたり、指名されたりする機会が増えることもあり、一見すると損をしているようで、実は大きな充実感を得ている人ですね。
タイプ5:自由と裁量を大切にする
5つ目の仕事の価値観のタイプは、「自由と裁量を大切にする」です。
このタイプの方は、指示通りに規則を守って成果を上げても、どこか満たされません。「これって、別に自分でなくても出来るのでは?」とモヤモヤを感じやすいのです。
周囲からは順調に見えても、ある日突然辞めて驚かれることがあるかもしれません。
タイプ6:良好な人間関係を築く
6つ目の仕事の価値観のタイプは、「良好な人間関係を築く」です。
このタイプの方は、突出した行動はせず、周囲との調和を何よりも大切にします。
場の空気を読む力に長けており、組織の中では潤滑油のような役割を果たすでしょう。
気難しい上司と部下の間に入って、双方の言葉をうまく伝えるなど、仲介役も上手にこなします。
タイプ7:専門スキルを探求する
7つ目の仕事の価値観のタイプは、「専門スキルを探求する」です。
このタイプの方は、いわば職人気質。一つのことを深く掘り下げ、自分のペースで技術や知識を突き詰めていくことを好みます。
そのため、大人数で組織的に動くよりも、個人や少人数で専門性を追求できる環境で輝くことが多いでしょう。
仕事の価値観を見つける方法:5ステップ
仕事の価値観を見つける上で一番大切な秘訣は、どんなことに対しても「なぜ?」を徹底的に掘り下げることかもしれません。
ここでは、その「本当の想い」つまり仕事の価値観を見つけ出すための具体的な5つのステップをご紹介します。
さらに詳しい価値観の見つけ方や70の質問と実践ワークについては、こちらの記事▶価値観の見つけ方完全ガイド|プロ直伝70の質問と実践ワーク 」も参考になりますので、ぜひ合わせてお読みください。
順に解説しますね。
ステップ1:過去の経験を幅広く棚卸し
仕事の価値観を見つけるステップの1つ目は、過去の経験を幅広く棚卸しすることです。これは、ご自身の歴史を振り返る「自分史」を作るような作業です。
どんなことにこだわり、何が好きだったか、ご自身の本質に触れる良い機会となるでしょう。
実は、価値観を形づくるきっかけの多くは、プライベートな出来事への心の反応に隠れていたりもするのです。
例えば、ある受講生の方は、幼い頃お母様がお化粧をする姿が一番イキイキして見え、それがとても嬉しかったそうです。
そして今、その方はヘアメイクのお仕事をされています。このように、過去の小さな記憶が今の仕事に繋がることもあるのですね。
過去の経験をじっくりと棚卸しする方法については、「人生の棚卸しを完璧にする方法|専門家が教える失敗しない秘訣」で詳しく解説しています。
この過去の経験の棚卸しをより深く行い、ご自身の本当の価値を再確認するためには、自分の成功体験を思い出したり、過去の実績を客観的に振り返ることが重要です。
しかし、やっかいなのは成功体験という自覚がなかったり、失敗体験によって記憶をかき消されているネガティブ・バイアスによる逆効果の可能性です。
この問題を解決し、効果的に自己分析を進めるには、さまざまな視点の質問をご自身に投げかけることが有効です。
そこで、この過去の経験の棚卸しと自己分析を強力にサポートするツールを作りました。それが「自分の棚卸&分析に使える70の質問集」です。
この質問集に取り組むことで、ご自身との対話をこれまでにないレベルで深めることができるはずです。 多くの方が自分探しのヒントを求めていらっしゃいます。
そのため、この質問集は有料での提供も考えました。しかし、悩まれている方が大変多いため、ひとまずは無料で配布することにしました。
ただし、この無料配布がいつまで続けられるかは分かりません。
ご興味のある方は、ぜひこの機会に入手し、大切に保存しておくことをおすすめします。 下記からどうぞ。
ステップ2:感情が動いた瞬間を深掘り
仕事の価値観を見つけるステップの2つ目は、感情が動いた瞬間を深掘りすることです。
そういった強く心が動いた出来事の中にこそ、ご自身の揺るがない価値観が潜んでいる可能性が高いのです。
例えば、会社の吸収合併を二度も経験し、その度に職種変更などで大変な苦労をされた受講生の方がいました。
元々は会社員として安定した働き方を望んでいましたが、この経験から「自分の力で道を切り拓きたい」という想いが強まり、起業という働き方を目指す方向で動いています。
予期せぬ出来事と、その時の強い感情が、新たな価値観とキャリアを気づかせたのです。
ステップ3:「譲れないこと」を具体化する
仕事の価値観を見つけるステップの3つ目は、「譲れないこと」を具体化することです。
これを見つけるために、こんな質問をご自身に問いかけてみてください。「たとえお金がもらえなくても、やってみたいことは何ですか?」
逆に「どんなにお金を積まれても、これだけはやりたくないことは何ですか?」そして、その答えの「なぜ?」を考えてみましょう。
「お給料はそこそこで良いから、家族との時間を大切にしたい」「残業が多くても、若いうちはバリバリ働いて成長したい」など、人によって「譲れないこと」は様々です。
これをはっきりさせることが、自分らしい仕事選びの基礎となります。
ステップ4:価値観を言語化しリストアップ
仕事の価値観を見つけるステップの4つ目は、見えてきた価値観を言葉にしてリストアップすることです。
例えば、小さい頃から自然と人をまとめたり、リーダー的な役割を求められる機会が多かった人は、「リーダーシップ」や「チームを導く」といった価値観を持っているかもしれません。
ご本人は無意識で行動していることも多いので、そういった一貫した行動に着目するのがコツです。似たようなキーワードをグループ化し、自分にしっくりくる言葉で表現してみましょう。
ステップ5:価値観で「合う仕事」を選ぶ
仕事の価値観を見つけるステップの5つ目は、その価値観を使って「自分に合う仕事」を選ぶことです。
リストアップした価値観を基に、求人情報を見たり、企業を比較検討したりします。 ただ、ここで注意したい点があります。
以前、音楽が好きで音楽業界の会社に就職したものの、配属されたのは音楽と全く関係のない受付業務で、結局辞めてしまった受講生の方がいました。
音楽業界で働くという表面的なことだけでなく、その会社で具体的にどんな仕事ができるのか。もし希望と違う業務になった場合、自分はどう感じるかまで、価値観と照らし合わせて深く考えることが大切です。
入社前にしっかりと確認し、それでもその業界・会社にいたいのか、じっくり検討しましょう。
ここまで、仕事の価値観を見つけるための具体的なステップをご紹介しました。ご自身の価値観がはっきりすると、仕事選びの軸が見えてくるはずです。
もし、ご自身の価値観だけでなく、キャリア全体の方向性についてもっと深く考えたい、あるいは「そもそも自分の進むべき道が分からない…」といったお悩みをお持ちでしたら、
こちらの記事もきっとお役に立つでしょう。 ▶仕事の方向性がわからないときに押さえるべき4つのこと|キャリアや転職の方向が決まる!
面接で響く!価値観の伝え方と例文
面接の場では、「ありのままの自分をアピールすれば良い」と考える方も多いかもしれませんね。
もちろん、それは理想の一つです。しかし、採用面接は、自分より優れた実績や経験を持つ人たちと同じ土俵で選ばれる競争の場でもあります。
だからこそ、面接をいかに突破し、まず「入社する」というスタートラインに立つかを意識した「戦略」が重要になるのです。
その戦略の核となる「仕事の価値観」を面接で効果的に伝え、採用担当者の心に響かせるための方法と具体的な例文について解説します。
面接官が価値観を質問する本当の意図
仕事の価値観を伝える最初のステップは、面接官の質問の「本当の意図」を考えることです。
面接官が「あなたの仕事の価値観は?」と尋ねるのには、言葉以上の意味が込められています。その質問の背景にある「何を知りたいのか」「何を確認したいのか」を深く読み解くことが大切です。多くの場合、面接官がこの質問で見極めようとしているのは、主に次のような点です。
- 応募者の人柄や性格はどうか
- 自社の社風や大切にしている価値観と合いそうか
- 将来のビジョンやキャリアに対する考え方が、自社と方向性を共にできるか
- 仕事に対する意欲や基本的な姿勢はどうか
これらの意図を理解した上で、「こう答えれば、きっと良い印象を持ってもらえるだろう」と、戦略的に回答を組み立てて話すことが求められます。
もしかしたら「それは自分を偽ることにならないか?」と心配になる方もいるかもしれません。
もし全く心にもないことを言うのであれば、それは問題でしょう。
しかし、ご自身の持つ複数の側面の中で、その企業の理念や求める人物像に響くであろう価値観を選び、焦点を当てて伝えることは、嘘ではありません。
まずは選考を突破し、スタートラインに立つための大切な一歩なのです。
たとえば、面接を受ける会社がどんな価値観を大切にしていそうか考えてみましょう。その上で、ご自身の価値観と経験をどう伝えるか、具体的な例を挙げます。
このように、会社の特徴や求める人物像を意識すること。その上で、ご自身の価値観と実際の経験を結びつけて具体的に話せば、より納得感のある、良い印象を与えられるでしょう。
伝えるべきポイント3選【PREP法活用】
面接官に価値観を効果的に伝え、良い印象を残すためには、押さえておくべきポイントがあります。ここでは特に重要な3つのポイントを、それぞれ見ていきましょう。
価値観はエピソードで示す
伝えるべきポイントの1つ目は、価値観を象徴する具体的なエピソードを交えることです。 ただ「私の価値観は〇〇です」と述べるだけでは不十分でしょう。
その価値観がご自身のなかで形作られた背景や、実際の行動にどう現れたかを具体的なエピソードで語ることが大切です。
そうすることで、言葉にぐっと深みが増し、面接官の記憶にも残りやすくなります。
大切なのは「これまで何をしてきたか」という実績もさることながら、それ以上に重要視したいことがあります。
それは「この人は入社したら、きっと活躍してくれそうだ」と、その人の持つ伸びしろや可能性を感じてもらうことです。
特にスキルや実績がまだ少ないと感じる方ほど、このポテンシャル採用を意識したアピールが重要になります。
「今はこれができます」という現状報告に留めないこと。「もっと高いレベルの仕事もやり遂げそうだ」と、相手に期待を抱かせることを目指しましょう。
謙遜しすぎず自信を示す
伝えるべきポイントの2つ目は、自信を持った言葉遣いを心がけることです。 「大した経験ではないのですが…」といった謙遜すぎる言葉は、かえって自信のなさを印象づけてしまいます。
たとえ内心では不安があったとしても、それを言葉に出す必要はありません。堂々とした態度は、話の内容に説得力をもたらします。
聞かれない失敗談は話さない
伝えるべきポイントの3つ目は、聞かれてもいない失敗談やネガティブな情報を自分から話さないことです。
もちろん、過去の失敗から何を学んだかを誠実に語るのは大切な姿勢です。
しかし、それは面接官から具体的に問われた場合に限ります。
自分から不利になるような情報を不必要に開示する必要はないでしょう。面接という関門を突破するためには、賢明な情報開示も求められるのです。
【状況別】価値観を伝える面接回答例文
ここでは、いくつかの価値観タイプ別に、面接で伝える際の回答例文をご紹介します。 これらはあくまで例文ですので、ご自身の言葉と経験に置き換えて、参考にしてくださいね。

「私が仕事をする上で最も大切に考えているのは、仕事を通じて常に新しいことを学び、成長し続けることです。以前の職場では、〇〇や□□など、未経験の業務にも積極的に取り組みました。
その結果、自身のスキルアップはもちろん、チームの成果向上にも貢献できたと思います。
なぜなら(ここに具体的なエピソードを挿入。例:新しいツールを導入し、チーム全体の作業効率が10%向上した経験があるからです。) 貴社のような、社員の成長を後押ししてくださる環境で、私も一層専門性を高め、事業に貢献していきたいです。」

「私は、自分の仕事を通じて誰かの役に立ったり、人に喜んでいただいたりすることに、最も大きなやりがいを感じます。
なぜなら(ここに具体的な理由を挿入。例:人から感謝されることで、自分の存在意義を強く感じられるからです。) 前職でお客様から『〇〇さんのおかげで本当に助かった』と感謝の言葉を直接いただいた時の喜びは、今でも忘れられません。
貴社の一員としても、常にお客様や社会のために何ができるかを考え、情熱を持って業務に取り組みたいです。」
これらの回答例も、前述したPREP法(Point, Reason, Example, Point)で構成すると、より説得力が増します。
P(結論): 「私の仕事の価値観は〇〇です。」
R(理由): 「なぜなら、過去に△△という経験から、□□だと強く感じたからです。」
E(具体例): 「具体的には、前職で〇〇という状況の際に、△△のように行動し、結果として□□という学びや成果がありました。」
P(結論・貢献): 「この経験から培われた〇〇という価値観を活かし、貴社では□□といった形で貢献したいと考えております。」
このように、ご自身の考えと具体的なエピソードを論理的に結びつけて話すことが、面接官に良い印象を与える秘訣です。
ミスマッチを防ぐ!企業選びのコツ
自分の仕事の価値観が分かってきたら、次はその価値観に合う会社を見つける番です。
でも、どうやって見極めたら良いのでしょうか。
ここでは、価値観のミスマッチを避け、自分に合った企業を選ぶための3つのコツをご紹介します。
企業理念やビジョンに共感できるか
ミスマッチを防ぐ企業選び、1つ目のコツは、その会社の企業理念やビジョンに心から共感できるか見極めることです。
表面的な言葉だけでなく、創業者や経営陣の想い、具体的な社内エピソードを探してみてください。
そして、ご自身の価値観と重なる部分があるか考えてみることが大切です。
もし企業理念に共感した経験や、ご自身の行動と重なるエピソードがあれば、志望動機や面接で積極的に伝えると説得力が増しますよ。
では、どうすれば「共感できるか」を判断できるのでしょう。
例えば、以下のような点をチェックしてみるのがおすすめです。
- 理念に沿った行動が、実際の社員の言動やサービスに現れているか。
- その理念が、ご自身の過去の経験や将来目指す姿と自然に結びつくか。
- 理念がただのスローガンに終わらず、日々の業務や評価制度にも反映されていそうか。
社員の「生の声」や雰囲気も探る
2つ目のコツは、実際に働く社員の「生の声」や職場の雰囲気も探ることです。公式情報だけでは分からない、日常の様子を知ることは非常に重要です。
会社説明会やインターンシップでは、社員の方と直接話し、どんな価値観が日々の仕事に表れているか観察してみましょう。 OB・OG訪問以外にも、SNSや口コミサイトも情報源になります。
また、企業が主催するイベントや社外の勉強会などで、社員の方の発信や交流の機会を探すのも有効な手段です。
特に「社員同士のコミュニケーションはどんな様子か」。
あるいは「困難な状況で、会社や社員はどんな判断をするのか」。そういった具体的なエピソードを聞き出すと、その企業が本当に大切にしている価値観が見えやすくなります。
面接では「逆質問」を有効活用
3つ目のコツは、面接の最後にある「何か質問はありますか?」という逆質問の時間を有効に使うことです。
これは、ご自身の疑問を解消するだけでなく、企業の価値観や働き方の実態を探る絶好のチャンスといえます。
企業理念やビジョンが、実際に職場でどのように活かされているかを具体的に聞くのです。
面接官の答え方やその具体性から、その会社の価値観が本当に組織に根付いているかどうか、見極めるヒントが得られるはずです。
企業選びでは、「自分がその会社で自然体でいられるか」「価値観のズレがないか」を常に意識して情報収集することが大切です。
会社の理念やビジョン、社員の方々の言動、そして面接でのやり取り。これら複数の視点から、その会社の“本音”の価値観を見極めること。
それが、入社後のミスマッチを防ぐための最大のポイントといえるでしょう。
自分の見つめ直し完全マニュアル【無料】
ここまでお読みいただき、ご自身の仕事の価値観について、何か新しい発見や気づきはありましたでしょうか。
その気づきを深め、本当の自分を理解するためには、じっくりと自分自身と向き合う時間を持つことが効果的です。
他人の意見に流されることなく、自分だけの答えを見つけ出すためです。
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- 自己肯定感を高めるための100の質問シート:自信を持って前向きに生きるための支援をします。
- 今の仕事合う?合わないチェックリスト:現在の職場環境が自分に合っているか評価するのに役立ちます。
- やる気ペンタゴンチャート:モチベーションを高め、行動を促すためのツールです。
- ときめきのツボワークシート:自分の情熱や興味が何にあるのかを探るのに役立ちます。
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私との直接のやりとりもできますよ
最後に筆者からの大切なメッセージ
自分の価値観を深く知ることで、仕事選びで迷うことが減り、日々の仕事へのやる気も自然と湧いてきます。
仕事の価値観を見つけることは、一度きりで終わるものではありません。人生のステージや経験によって、大切にしたいことは変わっていくこともあります。
だからこそ、時々立ち止まって、ご自身の心の声に耳を傾ける習慣を持つことが、自分らしく輝き続ける秘訣なのです。
この記事が、ご自身にとって本当に心地よい働き方を見つける、そのきっかけになることを心から願っています。
魂の女性成長支援・浅野塾代表 浅野ヨシオ
浅野ヨシオ:
女性成長支援コンサルタント。
魂の女性成長支援・浅野塾 代表。
2007年よりビジネスパーソンや出版希望者を対象とした、自分の強みを発見し唯一無二のブランドを作る講師として活動。ハイキャリアの女性たちでも自分の能力がわからず強い自信を持てずにいることを知る。
2011年、女性成長支援の講座を起ち上げ、幼少期から現在までの人生史を平均200時間以上かけて深掘りする指導に定評がある。
通算14年2000人超の女性専門指導の経験により、心を縛る足かせをはずし、自分にとっての幸せを追求する自己実現プログラムを多数構築する。
著書に「私はこの仕事が好き!自分の強みを活かして稼ぐ方法(大和出版)」がある。
◎メディア実績:日本経済新聞/日経WOMAN/PRESIDENTほか多数
◎講演実績:横浜市経済観光局/多摩大学/NPO法人Woman’sサポート/自由大学/青森商工会連合会/天狼院書店/(株)スクー/ほか多数
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