以前、「サザエさん症候群」という言葉が流行りましたよね。
日曜日の夕方、テレビで『サザエさん』のエンディング曲が流れると、「あぁ、また明日から仕事か……」と憂鬱な気持ちになる。そんな現象を指した言葉でした。
もしも今、そんな感覚を抱いているとしても、自分を責める必要はありませんよ。
それは「もっと情熱を持って生きたい」という、心の奥底からの合図なのですから。
この記事を書いている私自身も、かつては天職とは程遠い場所にいました。
意気揚々と入社した会社を、新卒からわずか8ヶ月で退職。
その後は生活のために感情を押し殺して働く日々が、26年も続きました。
しかし今、私は胸を張って「これが天職だ」と言える仕事をしています。
現在は、複雑な社会で生き方に迷う女性たちのガイド役として、15年間で2000人以上の人生に伴走してきました。
下は23歳から上は62歳まで、海外にお住まいの方も含め、多くの人が自分だけの道を見つける瞬間を見てきたのです。
だからこそ、「天職なんて、選ばれた人だけのもの」と諦めていた過去の自分に伝えたいことがあります。
天職は、空から降ってくるものではありません。
ましてや、どこかに隠されている宝を探すようなものでもない。
26年の迷走の末にたどり着いた、天職に出会うための現実的な法則を、これから包み隠さずお話しします。
追伸:本文の最後に素敵なマニュアルのプレゼントをご用意しています。
- 記事を書いている人の専門性と実績
経歴:
新卒8ヶ月での挫折退職から再出発。26年の会社員経験(10年は複業)を経て起業。現在は個性を活かす道を拓く会社を経営。
専門:
天職がわからない人を含む、2000人超の女性指導実績。本当の強みを発見し、人生を新たな方向へ導く自己分析のプロ。やりがいのある転職から起業まで、前職や年齢を超えた女性の夢実現に定評。
メディア/著書:
日本経済新聞、日経WOMAN他多数掲載。著書「私はこの仕事が好き!自分の”強み”を活かして稼ぐ方法(大和出版)」
天職と適職の違い、わかりますか?
多くの人が天職を見つけられずに迷子になってしまうのは、天職と適職を混同しているからなんです。
ここで、言葉の定義をはっきりさせておきましょう。
・適職(てきしょく): 自分のスキルや能力が合っていて、無理なく成果が出せる仕事。
・天職(てんしょく): 魂が喜び、自分が嬉しいからやると心から思える仕事。
誤解しないでいただきたいのは、適職も素晴らしいということです。
ストレスなく働けて評価されるのですから。
ですが、もしも「もっと情熱的に働きたい」と願うなら、適職の「その先」を目指す必要があります。
多くの人は仕事を探す時、安定しているかなどの条件や給与ばかりを見てしまいます。
もちろんそれが悪いわけではないのですが、条件だけで選んだ仕事は、慣れてしまえば飽きる可能性があります。
なぜなら、条件による幸福には賞味期限があるからです。
高い給料も、きれいなオフィスも、3ヶ月もすれば当たり前の日常になります。
刺激が消えれば、また別の不満が顔を出すだけなんですね。
一方で、天職は条件ではありません。 後から気づくものなんですよ。
よくメディアで「小学生の頃の卒業文集の夢を叶えた」なんて美談を見ますが、その類の情報に惑わされてはいけません。
- あれは0.01%の天才たちの物語だから。
その証拠に、私たちが子どものころのクラスメイトの中に、当時の夢のとおりの職業に就いている人が何人いるでしょうか?
私たち大多数にとって、天職は走り出した後に見つかるものなのです。
目の前の仕事に没頭し、工夫し、誰かに感謝される。
その繰り返しの中で、「あれ? この仕事、意外と悪くないな」「むしろ好きかも」と感じる瞬間が訪れます。
情熱とは、最初にあるものではありません。 行動した摩擦熱で生まれてくるものだからです。
それが積み重なった結果、振り返れば「これが天職だった」となります。
最初から「天職を探そう」と息巻くと、見つかる可能性は低くなってしまうでしょう。
探すべきは職種ではなく、自分の心が反応する感覚なのです。
26年間、自分を殺し続けた実体験
ここで少し、時計の針を戻してみます。 今の仕事(女性のキャリア支援・転職や起業支援)に出会うまで、私は26年間も自分探しの迷路にいました。
父親の経営する会社に入社していた20〜40代の頃——ただ安定や世間体にしがみついて生きていました。
「仕事がつまらないし辛いのは当たり前。お金をもらうのだから我慢料」
そう叩き込まれていた私は、毎日そう自分に言い聞かせていたんです。
でも、年齢を重ねるにつれて、強烈な焦燥感に襲われるようになりました。
「このまま、ただ言われたとおりのことをしているだけの人生を終えるのか?」
転機は、ある小さな行動から訪れました。
勇気を出して参加したビジネスセミナー。そこで、これまで身近にいなかった生き方や働き方をしている人たちに出会ったんです。
「仕事が楽しい」と笑って毎日を過ごす人や、日本中を駆け巡りながら自由に仕事をしている人たち。
私にとって、それは衝撃的すぎる光景でした。
そしてひょんなきっかけで、彼らの身の上話を聞く機会がありました。
すると、驚いたことに——彼らの強みやその価値が、手に取るように私にはわかったんです。
本人たちにとっては、当たり前すぎてまったく気づいていない。でも私には、まるで透けて見えるように「そこがあなたの宝なんだよ」と確信できた。
幼少期から「なぜ自分はダメで、あの人は輝いているのか?」と、他人と自分を比較し、研究し続けてきたからです。
その悔しさと執念が、いつの間にか「人の才能を見抜く眼」を養っていたのですね。
もちろん最初は報酬なんてありません。
ただ、自分の言葉で誰かが救われ、「ありがとう」と言われるのが猛烈に嬉しかった。
その時、ハッと気づきました。
「自分は、人に教えて、その人が変わっていく姿を見るのが好きなんだ」と。
これが私の天職の出発点でした。
特別な才能があったわけではありません。ただ、「自分が嬉しいからやる」という純粋なエネルギーに従っただけなんですよ。
天職を引き寄せる「ときめき×強み」の法則
では、どうすればその「感覚」とやらをつかめるのでしょうか。
26年の経験と、2000人以上の受講生を見てきて導き出した答えはシンプルです。
この掛け算が成立したとき、仕事は劇的に面白くなります。
1. ときめきのツボを知る
好きなことと言うと大げさになりますよね。 もっと解像度を上げて、どの瞬間に心が動くかを探るんです。
例えば、同じ「営業が好き」という3人がいたとしましょう。
・Aさん: 目標数字を達成して、1位になることが好き(達成感)
・Bさん: お客様の悩みを聞いて、「ありがとう」と言われることが好き(貢献欲)
・Cさん: どうすれば売れるか、作戦や仕組みを考えることが好き(探究心)
同じ「営業」という仕事でも、何に心が動くかは人それぞれ。
数字目標を達成するのが快感なのか、顧客と深い信頼関係を築くのが快感なのかで、適性はまったく違いますよね。
自分のツボがわかれば、今の仕事の中にも天職の種を見つけられるかもしれません。
- 実際の例をお話ししますね。
リサーチ会社で金融データの分析をしていた女性がいました。彼女のときめきのツボは「バラバラのお客様の声から、法則性を見つけること」でした。
でも、金融業界にはどうしても興味が持てず、会社からの評価もイマイチ…。
そこで私は、彼女の大好きなエンタメ業界へ、その分析スキルを持ったまま転職することを勧めたんです。
すると——水を得た魚のように仕事が楽しくなり、年収も1年で倍になりました。
「ときめきのツボ」と「強み」が合致すると、こんなふうに人生が変わるんですよ。
2. 強み(息をするようにできること)を知る
強みとは、資格やスキルのことではありません。 自分にとっては当たり前すぎて、すごいと思えないことです。
私の塾生に、どうしても場の空気が読めない女性がいました。 一般的には欠点(弱み)とされるでしょう。
しかし、彼女は生命保険の営業でトップセールスになったんです。
なぜでしょう?
「今は忙しいから!」と怒鳴られても、空気を読まずに「そうですよね、ところで…」と笑顔で切り返せたからです。
彼女にとって断られることはダメージにならず、その鈍感力が最強の武器(強み)になったわけです。
自分の弱みだと思っている部分でも、環境を変えれば最強の強みになることもあるのです。
もし、「自分の強みがまだよくわからない」という方は、以下の記事で詳しく解説しています。あわせて読んでみてくださいね。
▶ 関連記事:自分の棚卸しガイド|強み迷子を解決する20の質問と実践方法
今日からできる「天職探し」3つのアクション
概念はわかりましたね。では、具体的にどう動くか。 今日からできるアクションを3つに絞りました。
1. やりたくないことリストを書く
やりたいことが次々と出てくれば苦労しませんよね。 わからない時は、逆から攻めるのが鉄則です。
たとえば、
- 満員電車に乗りたくない
- 理不尽な上司と付き合いたくない
- 数字だけに追われたくない
本音を紙に書き殴ってみてください。 これを裏返せば、自分が大切にしたい価値観が見えてきます。
実はこれ、すべて過去の私の本音でした。 「やりたくないことをしない生活」。 それこそが、当時の私が一番「やりたいこと」だったというわけです(笑)
2.過去の熱中体験を棚卸しする
- 子供の頃、親に止められてもやり続けたことは何ですか?
- お金をもらわなくても、ついやってしまうことは何でしょう?
- 始めると止まらなくなってしまうことは?
- 人に話をするとつい興奮して話してしまうテーマは?
これらはすべて、その人にしかない偏った資質(偏執性)です。
自分自身の偏執性にも天職のヒントが眠っています。
私の受講生で、子供の頃に母の化粧品を勝手に使って怒られた経験を思い出し、ヘアメイクのお仕事で大成した人がいます。
「三つ子の魂百まで」は、キャリア論においても真実なんですね。
3. 知っている職業の範囲を広げる
私たちのやりたいことは、経験したことか、もしくは知っている範囲からしか生まれません。
YouTuberもドローン操縦士も、10年前には職業の選択肢になかったですよね。
私の自宅の近所にはお琴の修理を行っているお店もあります。
転職サイトや求人アプリに載っているものだけが、仕事だと思い込んでいませんか?
特に、人とは違うマニアックな興味を持つマイノリティ(少数派)の方は要注意です。
なぜなら、一般的な求人は多数派の人が、効率よく働けることを基準に作られているからです。
あなたのその尖った感性は、普通の職場では扱いにくいものと評価されてしまうことすらあります。
なので、世間一般に出回っている仕事の枠組みの中だけでは、天職と呼べるレベルにまでハマることができないかもしれないのです。
世の中には、まだ名前もわからないような仕事が山ほどあります。
近所の職人、ニッチな趣味の専門店。
アンテナを張り、「こんな仕事でも食べていけるんだ」という事例を自分の中にストックしてみてください。
天職探しの幅はぐっと広がるはずです。
迷っている時間こそが財産になる
「天職を早く見つけなきゃ」と焦る気持ちは痛いほどわかります。
けれど、26年さまよった自分だから言えることがあります。
その迷走した期間は、決して無駄ではありません。
嫌な仕事に耐えた忍耐力。 理不尽な環境で磨かれた処世術、自分はどう生きたいかと自問自答した時間⋯。
それら全てが、天職に出会った後の深みや情熱の源(みなもと)になります。
一直線に成功した人には出せない、人間としての厚みになるんです。
だから、焦らないでくださいね。
ただ、思考を止めてはいけません。自分の心にある違和感という名のセンサーを、信じ続けてください。
徹底的な自己分析ができる70の質問
天職に出会うために避けられないのは、徹底的な自己分析です。
しかし、一人で自分の強みを見つけるのは至難の業ですよね。 自分の背中は自分では見えませんから。
一生を左右することなので、本来なら専門家に相談するのが一番なのですが、その前に一度ご自身を深掘りしておくことをおすすめします。
そこで私が10年以上もの間、塾生との対話で使い続けてきた自分の棚卸&分析に使える70の質問集を特別に公開することにしました。
本来は有料講座の一部ですが、過去の自分のように悩む人の役に立てばと思い、無料で配布します。
これに答えていくと、「あ、自分はこれがやりたかったのかも」という輪郭が浮かび上がってくるでしょう。
いつまで無料公開できるかわかりませんので、今のうちに手に入れておいてくださいね。
クリックしてメールアドレスを入力するだけで、すぐに届きます。
まとめ:人生はいつからでも「好転」できる
日曜日の夜が憂鬱なのは、真面目に人生と向き合っている証拠です。すべて割り切って生きていたなら、憂鬱になることもなかったはずです。
ときめきのツボと強み——この2つを意識して、明日からの景色を少しだけ変えてみませんか。
その小さな一歩の先に、「これだ」と思える瞬間が待っていますよ。
- 「一人では難しい」と感じたら
もし、自分一人での分析に限界を感じたら、遠慮なく頼ってくださいね。
私が主催する「自分力活用講座〈入門コース〉」では、今の自分に何が不足しているのか、これから何をするべきかのヒントをつかめます。
2時間の講座と60分の個別コンサルを通じて、天職に近づくための具体的な第一歩が見えてくるはずです。
これまで2000人以上の女性のキャリアに伴走してきた経験をもとに、1〜3名限定の少人数制で丁寧にサポートします。
26年の迷走を経て天職にたどり着いた私だからこそ、お伝えできることがあります。
詳しくはこちらをご覧ください。

浅野ヨシオ:
女性成長支援コンサルタント。
魂の女性成長支援・浅野塾 代表。
2007年よりビジネスパーソンや出版希望者を対象とした、自分の強みを発見し唯一無二のブランドを作る講師として活動。ハイキャリアの女性たちでも自分の能力がわからず強い自信を持てずにいることを知る。
2011年、女性成長支援の講座を起ち上げ、幼少期から現在までの人生史を平均200時間以上かけて深掘りする指導に定評がある。
通算14年2000人超の女性専門指導の経験により、心を縛る足かせをはずし、自分にとっての幸せを追求する自己実現プログラムを多数構築する。
著書に「私はこの仕事が好き!自分の強みを活かして稼ぐ方法(大和出版)」がある。

◎メディア実績:日本経済新聞/日経WOMAN/PRESIDENTほか多数
◎講演実績:横浜市経済観光局/多摩大学/NPO法人Woman’sサポート/自由大学/青森商工会連合会/天狼院書店/(株)スクー/ほか多数










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