

日常で、そう感じる「苦手意識」はありませんか。
ひょっとすると、その気持ちは単なる「思い込み」かもしれません。もしそうなら、少しもったいないことですよね。
しかし、時には行動をためらう原因になってしまう事もあるのです。
この記事では、苦手意識が生まれる理由とその「思い込み」を解きほぐす方法を解説します。原因の理解から具体的な克服法、人付き合いのヒントまで、心の持ち方に焦点をあててお伝えします。
個々の持ち味を活かす方法を、2000名以上の方へ伝えてきた経験をもとに解説いたします。
苦手との向き合い方がわかれば、日々の仕事や生活がより楽になるはずです。自分の可能性を広げるきっかけをつかんでくださいね。
- 記事を書いている人の専門性と実績
経歴:
新卒8ヶ月での挫折退職から再出発。26年の会社員経験(10年は複業)を経て起業。現在は個性を活かす道を拓く会社を経営。
専門:
苦手意識が強い人を含む、2000人超の女性指導実績。本当の強みを発見し、人生を新たな方向へ導くプロ。やりがいのある転職から起業まで、前職や年齢を超えた女性の夢実現に定評。
メディア/著書:
日本経済新聞、日経WOMAN他多数掲載。著書「私はこの仕事が好き!自分の”強み”を活かして稼ぐ方法(大和出版)」
なぜ苦手意識?思い込みの根本的な原因
苦手だと感じる気持ちは、どこから来るのでしょうか。
「それは思い込みだよ」と言われても、すぐに消すのはむずかしいですよね。 その根本には、私たちの脳の働きが深く関わっています。
正体は脳の「危機回避能力」
実は苦手意識の多くは、脳が自動的に出す「ストップ」という合図なのです。 これは「危機回避能力(ききかいひのうりょく)」と呼ばれるものです。
私たちにもともと備わっている、自分を守るための大切な力といえます。 身に危険がせまるのを、未然に防ごうとする本能なのです。
では、どのような時に、この「ストップ」の合図は出やすいのでしょう。 例えば、以下のような場面にでくわした時です。
- やったことがない新しいこと
- よく知らないこと・わからないこと
- 複雑で難しそうだと感じること
- うまくできる自信があまりないこと
- 過去に同じことで大失敗をしたこと
こうした状況では、「もしかしたら、うまくいかないかもしれない」と感じるでしょう。
失敗して傷つくことなどを、脳は「危険」だと考えるのです。 そして、「今回はやめておこう」という信号を送ります。 この、とっさに出る「やめておこう」という信号こそが、苦手意識の正体となります。
これは本来、私たちが生きるうえで必要な、自分を守るための反応なのです。
「苦手」の思い込みを外すための克服方法
どうすれば「苦手だ」という強い思い込みを外せるのでしょうか。具体的な克服方法を4つのステップで紹介します。
STEP1:苦手スイッチを押さないように意識
苦手意識の思い込みを外す1番目のステップは、「苦手だ!」と感じる心のスイッチを、むやみに押さないように意識することです。
これは、失敗するかもしれないという危険のアンテナに、過剰に反応しないための工夫といえます。 「また苦手な場面が来た」と、すぐに決めつけない心がけが大切になります。
STEP2:なぜ苦手と感じるのか冷静に考える
苦手意識の思い込みを外す2番目のステップは、いったん心を落ち着けて、なぜそう感じるのか冷静に考えてみることです。
「苦手だ」と感じる時、その多くは単純に経験が少ないだけかもしれません。 感情的にならずに、「本当にこれは自分にとって苦手なのだろうか?」と問いかけてみましょう。
STEP3:経験値を数字で見える化してみる
苦手意識の思い込みを外す3番目のステップは、その経験値を具体的な「数字」にして、目で見てわかるようにすることです。 これは、ステップ2の「冷静に考える」作業を助けてくれます。
数えてみると、思ったより回数が少ない(例えば10回にも満たない、時には1、2回など)と気づくことがあります。 「ああ、これは単に経験が足りないだけなんだ」と客観的にわかるきっかけにもなります。
STEP4:場数を踏んで慣れることを目指す
苦手意識の思い込みを外す4番目のステップは、もし経験不足が原因だとわかったなら、とにかく場数を踏んで「慣れる」ことを目指すことです。
ステップ2や3で冷静に考えた結果、「これは慣れが必要だ」と判断した場合に取り組むとよいでしょう。 難しく考えすぎず、少しずつでも経験を重ねていくこと。 それが、苦手意識をやわらげる一番の近道となるかもしれません。
具体的な行動を続けることが大切です。

苦手のほとんどは思い込み。慣れてないだけです

確かに慣れてないだけかも…。
慣れる秘訣ありますか?
苦手なことに慣れる8つの秘訣
苦手なことに挑戦し、場数を踏んでいく。その時に、心の壁(心理的なハードル)をできるだけ低くすることが大切です。 ここでは、少しでも楽な気持ちで取り組むための、具体的な8つの秘訣を紹介いたします。
秘訣1:行動する「目的」を明確にする
苦手なことに慣れる1番目の秘訣は、なぜそれに取り組む必要があるのか、行動の「目的」を自分なりに考えてみることです。 もし「これは、本当に必要ないかもしれない」と感じるのであれば、無理にしなくてもよいのです。
状況によっては、うまく避ける、逃げるという選択肢だってあります。 しかし、「これは自分にとってやる意味がある」とはっきりすれば、その目的意識がやる気を起こさせてくれるでしょう。
秘訣2:「最初はゼロ点」と心得る
苦手なことに慣れる2番目の秘訣は、やると決めたことについては、「最初はできなくて当たり前。ゼロ点で十分だ」と考えておくことです。 これは、失敗に対する怖さをやわらげるための、ちょっとした工夫といえます。
特別な才能でもない限り、始めから百点満点の結果を出せる人はいません。 「スタートからうまくいくはずがない」と、軽い気持ちで始めるのがおすすめです。
秘訣3:苦手なことから先に手をつける
苦手なことに慣れる3番目の秘訣は、気が進まないことほど、後回しにせず「先に」手をつけるようにすることです。 後にすればするほど、「やりたくないなあ」という気持ちは、どんどん強くなりがちです。
気持ちが比較的フレッシュなうちに、さっと始めてしまうのがコツといえます。 大変なことを乗り越えれば、気分的にもそのあとが楽になるでしょう。
秘訣4:他人と比較しない
苦手なことに慣れる4番目の秘訣は、取り組んでいる最中に、他人と自分を比べないようにすることです。 「あの人はあんなにできるのに、自分は全然だめだ…」などと考えてしまうと、やる気を失うだけです。
周りの人の進み具合は気にせずに、自分のペースで一歩ずつ進む。それが大切となります。人と比べやすい人は、こちらの記事も参考になります。
秘訣5:目の前の作業に集中する
苦手なことに慣れる5番目の秘訣は、他人と比較しないようにするためにも、今、目の前にある「やるべきこと」だけに意識を向けることです。 何かに一生懸命になっているときは、他の人のことを気にする余裕もなくなるものです。「今の段階で他人と比べても意味がないな」と、自然に気づくこともできるでしょう。
秘訣6:遊び感覚を取り入れてみる
苦手なことに慣れる6番目の秘訣は、どうしても気が重いと感じる時、「遊び感覚」を取り入れてみることです。
例えば、難しいゲームのステージを一つずつクリアしていく。そんな気持ちで挑戦してみるのです。気分転換にもなり、少しだけ取り組みやすくなるかもしれません。
秘訣7:「ドラマの主人公」になりきる
苦手なことに慣れる7番目の秘訣は、さらに気分を変えたいなら、「ドラマの主人公」になったつもりで挑戦してみることです。 様々な困難を知恵と勇気で乗りこえて、最後には目標を達成するヒーローやヒロインです。「自分はいま、この難題に立ち向かう主役なんだ」とイメージしてみるのです。 演じる気持ちで挑むと、意外な力がわいてくることもあります。
秘訣8:遠慮なく周りの人に「頼る」
苦手なことに慣れる8番目の秘訣は、決してひとりで抱え込まず、周りの人にうまく「頼る」ことです。 やり方がわからなければ教えてもらう。うまくいかない所があれば、アドバイスをもらう。時には、作業そのものを少し手伝ってもらうのも、もちろんありです。
ひとりで頑張りすぎると、ストレスが大きくなる一方ですからね。周りの力を上手に借りましょう。人に頼るのが苦手な人は、こちらの記事も参考になります。
▶人に頼るのが苦手を克服する方法7選|原因と頼り上手になれる秘訣
苦手な「人」との向き合い方|関係改善
苦手なのは「こと」だけではありません。「人」に対して苦手意識を持ってしまい、悩む場合もありますよね。
ここでは、そのような相手との関係を、少しでも良い方向へ導くための5つのヒントをお伝えします。
1. ウソでもいいから相手を信じてみる
苦手な人との向き合い方の1番目は、まず「相手のことを信じてみる」ことです。
「この人、なんとなく苦手だな…」と感じる相手。もしかしたら、それは単なる誤解から生まれているだけかもしれません。
初めは気持ちがこもっていなくても、形だけでもかまいません。 不思議なもので、相手を信じようと意識すると、自然と「相手をもっと知りたい」という気持ちにつながることがあります。
なぜなら、「信じよう」と決めると、私たちはその理由を探そうとするからです。相手の言動や考え方に注意が向き、理解しようと努めるようになるのですね。
もちろん、心から信頼できるようになるには時間も必要でしょう。第一歩として試してみてください。
2. 自分から挨拶する習慣をつける
苦手な人との向き合い方の2番目は、「自分から挨拶する」習慣をつけることです。 苦手だと感じる人とは、無意識のうちに距離を置きたくなるものです。
しかし、距離を置けば置くほど、苦手意識はかえって強くなる傾向があります。 そこで活用したいのが「挨拶」です。挨拶をするためには、いやでも相手に近づく必要がありますよね。
これが、心の距離だけでなく、物理的な距離を縮める小さなきっかけになります。 毎日の簡単な挨拶から、関係を変える一歩を踏み出しましょう。
3. 話す前に一呼吸置き、冷静さを保つ
苦手な人との向き合い方の3番目は、話し始める前に「フッと一呼吸おく」ことを意識することです。
苦手な相手と話をしていると、つい感情的になってしまうこともあります。これでは良い関係は築けません。冷静さを保つために、この一呼吸が役立ちます。
心の中で「落ち着け、落ち着け」と軽く思うくらいの、ほんの短い「間(ま)」でよいのです。この一呼吸が、感情的な言葉が不意に出るのを防ぎ、冷静な対話を助けてくれます。
4. なるべく自然体で接する
苦手な人との向き合い方の4番目は、できるだけ普段通り、ありのままの自分で、自然体で接するように心がけることです。 相手に苦手意識があると、私たちはつい「うまくやらなきゃ」と気を使いすぎてしまいがちです。
しかし、その過剰な気遣いが、かえって不自然な態度を生み、苦手感を増幅させてしまうかもしれません。 自然体でいるコツとしては、まず、意識的にゆっくり深呼吸をして、肩の力をふっと抜いてみることです。
そして、「うまくやらなきゃ」と自分自身に意識を集中させすぎず、会話の中身やその場の状況に、もう少し意識を向けるようにしてみましょう。
無理に自分を飾らないことが大切です。(挨拶の時なども同様です)
5. 相手の生い立ちに関心を持ってみる
苦手な人との向き合い方の5番目は、もし機会があれば、相手の「生い立ち」(育ってきた環境)に関心を持ってみることです。
相手の話し方や態度、行動(言動)がどうしても苦手だと感じる場合。その背景には、その人が育ってきた環境が影響している可能性があります。
例えばですが、子供の頃から親に厳しく叱られて育った人は、他人に対しても厳しい口調になりやすい、といったケースです。
そのような背景を知ることで、「ああ、そういう事情があったのかもしれないな」と、不思議と少しだけ相手を受け入れられる気持ちになるかもしれません。(もちろん、それで全て解決するわけではありませんが)
重要:得意は乗り越えた苦手から始まる
ここで、少しだけ大切な補足のお話があります。 それは、「苦手だ」と感じることを避けてばかりいると、ご自身の「得意なこと」を見つけるチャンスを逃してしまうかもしれない、ということです。
これまでの説明にもありましたが、苦手意識の多くは単なる思い込みや、経験が足りないことから来ています。 つまり、最初は苦手だと感じていたことでも、何度か経験を重ねるうちに面白さがわかってくる。そして、いつの間にかそれが「得意なこと」に変わる、というケースは少なくありません。
繰り返しになりますが、最初から何でも上手にできる人は、ほとんどいないものです。 ある程度の経験を積んだ後で、初めて「これは本当に苦手か、それとも得意かもしれないか」を、自分で選べるようになるといえます。
ですから、「苦手そうだな」と感じても、まずは一度やってみる、試してみる。 そのような気持ちで物事に取り組む方が、自分の得意なことを見つける機会はぐっと広がります。 それは、これからの仕事や生活を、より豊かにすることにもつながるでしょう。

私は自己肯定感が低いです。自信がなくて動けなくて…。自己肯定感を高めるにはどうしたらいいかしら?
苦手意識を克服!自己肯定感を高める
「どうせ自分にはできない…」「また失敗するかもしれない…」 苦手なことが多いと感じていると、このように自己肯定感が低くなってしまうことがありますよね。 その状態のままでは、新しいことに挑戦しようとしても、つい良くない結果ばかりを想像してしまいがちです。
では、どうすれば自己肯定感を高めることができるのでしょうか。 一つの方法は、ご自身の過去の成功体験や、これまで積み重ねてきた実績を丁寧に振り返ってみることです。 そうすることで、「自分にもできることがある」「自分には価値がある」と、改めて気づくことができます。
ただ、ここで少しやっかいな点があります。 それは、過去の失敗体験にとらわれてしまったり、「これは成功と呼べるほどのものではない」と思い込んだりして、ご自身の良い点や実績を正しく評価できないことです。(これはネガティブ・バイアスと呼ばれる心の働きが関係していることもあります)
この問題を乗りこえるのに役立つのが、様々な角度から自分自身に問いかけること、つまり「自分との対話」を深めることです。
自己肯定感を高める100の質問集
そこで今回、自分との対話を深め、自己肯定感を育む手助けとなる「自己肯定感を高める100の質問集」をご用意いたしました。
この質問集は、ご自身と向き合い、対話を進めることを通して、自分の中にある価値や可能性を再発見するために作成したものです。 質問に一つ一つ向き合っていく中で、忘れていた小さな成功や、自分では気づかなかった強みが見つかるかもしれません。
有料にするか迷いましたが、悩まれている人が大変多いためひと先ず無料で配布します。
ただし、いつまで無料で配布するかわかりません。必要と思う人は今すぐ入手して保存をおすすめします。
下記からどうぞ。
まとめ:苦手意識は思い込み!未来は変わる
今回は、多くの人を悩ませる「苦手意識」について、その正体と具体的な向き合い方を解説してきました。
この記事を通してお伝えしたかった最も大切な点は、苦手意識の多くは単なる「思い込み」であり、脳が自分を守ろうとする自然な反応(危機回避能力)から来ている、ということです。 なぜ苦手だと感じるのか、その仕組みを知るだけでも、心は少し軽くなるかもしれません。
そして、その「思い込み」の壁を乗りこえるためには、まず冷静に状況を分析し、必要であれば「場数を踏む」こと、つまり実際に行動を起こしてみることが重要になります。 記事の中では、その行動を後押しするための具体的な秘訣(考え方のコツ)や、苦手だと感じる人との関わり方のヒントもいくつか紹介しました。
忘れないでいただきたいのは、初めは苦手だと感じていたことでも、勇気を出して一歩踏み出すことで、それが将来、思いがけず自分の「得意」なことに変わる可能性も十分にある、という点です。
「自分には無理だ」という心の中の思い込みにまず「気づく」こと。そして、できることからで良いので「行動」を始めてみること。 その一つ一つの積み重ねが、ご自身の未来をより良い方向へと変えていく力となるでしょう。
この記事が、そのための小さなきっかけとなれば、とても嬉しく思います。
苦手意識のある人におすすめの記事
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★この記事では、苦手意識の原因とそれを克服するための7つの具体的な方法を紹介します。さらに、多くの人が陥る思い込みを減らすための秘訣も紹介。
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★この記事では、自己理解を深める100の質問と自己反省マニュアルを紹介します。本当の自分を抑えることが、好きなことややりたいことへの感情の鈍化につながる原因です。
以上となります。苦手意識を克服して人生楽しんでしまいましょう。
浅野ヨシオ:
女性成長支援コンサルタント。
魂の女性成長支援・浅野塾 代表。
2007年よりビジネスパーソンや出版希望者を対象とした、自分の強みを発見し唯一無二のブランドを作る講師として活動。ハイキャリアの女性たちでも自分の能力がわからず強い自信を持てずにいることを知る。
2011年、女性成長支援の講座を起ち上げ、幼少期から現在までの人生史を平均200時間以上かけて深掘りする指導に定評がある。
通算14年2000人超の女性専門指導の経験により、心を縛る足かせをはずし、自分にとっての幸せを追求する自己実現プログラムを多数構築する。
著書に「私はこの仕事が好き!自分の強みを活かして稼ぐ方法(大和出版)」がある。
◎メディア実績:日本経済新聞/日経WOMAN/PRESIDENTほか多数
◎講演実績:横浜市経済観光局/多摩大学/NPO法人Woman’sサポート/自由大学/青森商工会連合会/天狼院書店/(株)スクー/ほか多数
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