自分にしかできないことをやる｜専門家直伝の見つけ方と実践法

多くの人が一度は頭に浮かんだことがあるのではないでしょうか。

まじめに働いているけれど、これといった強みもない。自分にはそんなこと、できない。そう感じている人も少なくありませんね。

• でも、本当に『何もない』のでしょうか。

自分にしかできないことは、生まれ持った才能だけでなく、これまでの経験や強みの掛け合わせから生まれます。

私はこれまで、2000人を超える方の生き方やキャリアの方向をガイドしてきました。自己分析の専門家として感じるのは、どんな人にも「自分にしかできないことの種」があるということです。

たとえば、人の話を聞くのが得意な人が、少しだけ分析が好きなら、その組み合わせだけで「相手の気持ちを整理するプロ」になれるかもしれません。

もちろん、そんなに単純ではありません。でも、理屈はこうなんです。

この記事では、そんな自分にしかできないことを見つけ、仕事に活かすまでの具体的なステップをわかりやすく紹介します。

最後までお読みくださいね。

追伸：本文の最後に素敵なマニュアルのプレゼントをご用意しています。

※自分にしかできないことの見つけ方をすぐに読みたい人はこちら

「自分にしかできないこと」の大きな誤解

「自分にしかできないこと」と聞くと、すぐに特別な才能や誰にも真似できないスキルを思い浮かべる人が多いかもしれませんね。ところが、そうした“突出した能力”を持つ人はごく一部です。

ほとんどの人は、小さな経験や得意なことを少しずつ積み重ねて、今の自分をつくっています。

たとえば、誰かに何かの相談をされることが多い人が、文章を書くのも嫌いではないとしたら、その2つを掛け合わせるだけで“彼らの心に寄り添う発信”ができるかもしれません。

それは、派手ではなくても、自分にしかできない伝え方のひとつになります。

それは特別な才能ではない

多くの人は、「自分にしかできないこと＝特別な才能」だと思い込みがちです。

繰り返しになりますが、これは才能の話ではありません。

これまでの経験や、人との関わりの中で磨かれた感覚こそが、その人を形づくっています

たとえば、ずっと同じ職場で地道にサポートを続けてきた人には、「信頼を生む力」や「場を整える力」が自然と身についているかもしれません。

それも立派な“自分にしかできないこと”です。

『信頼』は、自分にしかできないことを語る上で大切なキーワードです。小さな積み重ねの中から育まれる、その人にしかない“差別化の種”でもあります。

答えは「強みの掛け合わせ」にある

ひとつの強みだけでは、誰かに勝てなくても、複数を組み合わせると独自性が生まれます。

 たとえば、

このように、強みの掛け合わせが“その人のオリジナル”をつくるのです。

大事なのは、「自分は特別じゃなければならない」と思うことではなく、「自分の中にある小さな強みをどう組み合わせるか」を考えること。

 その視点が、“自分にしかできないこと”を見つける第一歩になります。

自分にしかできないことをしたくなる理由

「自分にしかできないことをやりたい」と思う気持ちは、誰にでも自然に生まれるものです。
ただ、それはいつでも感じるわけではありません。この思いが強くなるのは、たとえば次のようなときです。

3年ほど同じ仕事を続けた人に、この感情が芽生えることが多いです。 仕事にも慣れ、ミスも減り、周囲からも信頼されている。 それなのに、どこか物足りなさを感じる――。

私は、自分力活用講座 の講師として、これまで多くの受講者と向き合ってきました。 その中で感じるのは、「自分にしかできないことをしたい」と思う瞬間は、次のステップへ進む予兆だということです。

人は、誰かの役に立つ感覚と、自分が楽しむ感覚の両方がそろうときに、心が満たされます。そのどちらかが欠けると、「もっと自分らしく働きたい」という気持ちが自然と湧いてくるんですよね。

おもしろいのは、この感情が湧くのは“余裕ができたとき”だということ。仕事を覚えるのに必死なときや、忙しい日々の中では、自分のことを考える余裕すらありません。

でも、少し落ち着いて周りが見えたとき、人はようやく「このままでいいのかな」と感じ始めます。

つまり、「自分にしかできないことをしたくなる理由」は、 迷いではなく、これまでの経験を活かしたくなる心の動きなのです。

自分にしかできないことに取り組む理由

講師として多くの人を支援して感じるのは、「自分にしかできないこと」に向き合うと、働き方だけではなく生き方そのものが豊かに変わるということですね。

その変化には、共通する3つの理由があります。

自分の軸がはっきりする

自分にしかできないことに取り組む1つ目の理由は、自分の軸（大事にしたいこと・価値観）がはっきりするからです。

 自分の価値観をもとに選択するようになると、迷う時間が減ります。「自分はこれを大事にしたい」と思える指針ができると、他人の意見に振り回されにくくなりますね。

その結果、判断がぶれず、仕事の進め方や人との関わり方にも一貫性が出てきます。

軸が定まると、周りの人たちと自分の感覚の違いも自然に受け入れられるようになり、心に余白ができます。

やりがいと成果が実を結ぶ

自分にしかできないことに取り組む2つ目の理由は、やりがいと成果が実を結ぶからです。

 その取り組みの中で、努力が“がんばり”ではなく“楽しさ”に変わっていきます。そのぶん集中しやすく、行動の質も上がる。

 気づけば、まわりに貢献できていたり、評価される場面が増えていたりします。 それは、努力の方向が自分の強みに合っている証拠。

成果は、やりがいを積み重ねた先に、静かに現れてくるものです。

人とのつながりが深まる

自分にしかできないことに取り組む3つ目の理由は、人とのつながりが深まるからです。

自分にしかできないことを続けていくと、自然と自分の得意や信念が表に出ていきます。それに共感してくれる人が現れ、少しずつ信頼の輪が広がる。

そして、無理に合わせようとしなくても、人との関係がスムーズになります。自分を偽らずに動くことは、本当に相性のいい人と出会うきっかけになります。

自分にしかできないことの具体的な見つけ方

これまで多くの方の自己分析をサポートしてきましたが、「自分にしかできないこと」は、探すというより、丁寧に掘り下げていく中で見えてくるものです。

ここでは、自分自身を見つめ直しながら、自分だけの強みを見つけるための5つのステップを紹介します。

自分の「強み」を棚卸しする

自分にしかできないことの1つ目の見つけ方は、自分の強みを棚卸しすることです。

ここで言う「強み」とは、特別なスキルや成果のことではなく、“自然とできてしまうこと”の中にあるものです。

たとえば、ある会社員の女性は「恋愛相談や育児について相談されることが多い」と気づいたことで、自分が彼らの気持ちを整理する場を自然に作っていると分かりました。

本人にとっては当たり前でも、周囲にとっては頼りになる力。 そんな日常の中にある「当たり前なこと」を言葉にしてみることが、最初の一歩です。

強みの棚卸しのやり方をさらに深めたい方は、こちらの記事も参考になります。

▶「自分の棚卸しガイド｜強み迷子を解決する20の質問と実践方法」

過去に「夢中になったこと」を思い出す

自分にしかできないことの2つ目の見つけ方は、過去に「夢中になったこと」を思い出すことです。

 そんなことをしているときは、自分の“好き”や“本質的な関心”が表れています。

特に、子どもの頃（未成年の頃）のことを思い出してみましょう。当時は、世間の常識や与えられた役割に縛られていないので、好きなことにまっすぐ夢中になれた時期です。

たとえば、子どものころにノートに絵や文章を書くのが好きだった人が、大人になってから企画書を作るときにワクワクしたり、広告文を書く仕事を楽しんでいることがあります。子どものころの“熱中”は、大人になっても形を変えて続いていることが多いのです。

思い出すことは、過去に置いてきた“自分の原点”にもう一度出会う作業でもあります。
そこに眠っているのは、誰かの真似ではない「自分にしかできないこと」の種かもしれません。

他者に「自分の価値」を聞いてみる

自分にしかできないことの3つ目の見つけ方は、周りの人たちに「自分の価値」を聞いてみることです。

 自分では気づかない“当たり前”を、他人は価値として見ています。

たとえば、ある私の講座の受講者は「いつも話を聞いてもらうと整理がつく」と知人たちに言われて、自分が“相手の考えを整える力”を持っていると気づきました。

 他人の言葉は、鏡のように自分の特徴を映し出してくれます。

特に、

を思い出すのは大きなヒントです。

それらは、“自分が人に自然と貢献できている部分”を教えてくれています。感謝された言葉の中に、自分の価値が隠れていますよ。

嫌いなこと・やりたくないことを見極める

自分にしかできないことの4つ目の見つけ方は、嫌いなこと・やりたくないことを見極めることです。

 「好き」を探すよりも、「これはイヤだ」と感じる場面のほうが、自分の本音がはっきり見えます。

たとえば、ある女性は「指示待ちの仕事が苦手」と気づいたことで、「自分の考えで進められる環境が合っている」と理解できました。 彼女はその気づきをきっかけに、会社員からフリーランスへ働き方を変えています。

嫌いなことを避けるのは、逃げではありません。 自分のエネルギーを効果的に使うための、正しい選択のひとつです。

“やらない”を決めることが、“自分にしかできないこと”を見つける近道になります。

3つの要素を組み合わせてみる

自分にしかできないことの5つ目の見つけ方は、「強み」「興味」「価値観」の3つを組み合わせてみることです。

 ひとつだけでは特別にならなくても、掛け合わせることで独自性が生まれます。

たとえば、こんな組み合わせの例をご覧ください。

• 実際の例をひとつ紹介します。

ある知人は大学時代、自動車部に所属し、車の知識と運転技術を磨いていました。

卒業後は広告代理店で広告や販売促進のスキルを身につけ、その後、インターネットで車を販売するベンチャー企業に転職。

この3つの組み合わせによって、周囲に信頼される存在となり、社内でも独自のポジションを築いていきました。強みや経験は、組み合わせしだいで“自分にしかできないこと”へと発展していくのです。

これらは、他の誰かが同じような要素を持っていたとしても、“どの要素をどう大切にしているか”の順番や比重は人によって違います。

その“組み合わせ方”こそが、自分にしかできないことを形づくっているのです。

そして、その組み合わせを日々の行動で積み重ねていくことで、少しずつ「信頼」という形になって周囲に伝わっていきます。この“信頼”こそが、他の誰にも真似できない“差別化の種”です。

自分の中の要素をいくつか並べてみると、「この組み合わせがしっくりくる」と感じる瞬間があります。完璧な答えを出そうとせず、まずは“仮の組み合わせ”から始めてみましょう。

自分にしかできないことを仕事に活かす3つの方法

ここまでで、「自分にしかできないこと」の見つけ方を紹介しました。次は、それをどう仕事の中で活かしていくかです。

「やっと見つけたけれど、次に何をすればいいのかわからない」そんな方が多いのですが、実は答えはひとつではありません。

今の職場で活かす人もいれば、環境を変える人もいる。あるいは、自分の活動を少しずつ広げていく人もいます。

ここでは、3つのパターンをご紹介します。ご自身の状況にいちばん近いものを参考にしてみてくださいね。

パターン1：今の職場で活かす3ステップ

転職や独立をしなくても、自分の強みを活かすことはできます。
ポイントは、小さく試して、周りを巻き込み、役割にしていく流れです。

ステップ1：小さく試してみる

まずは、日常の業務で“小さな実験”をしてみましょう。

最初の一歩が、「自分にしかできないこと」を形にする入口になります。

ステップ2：周りを巻き込む

一人で頑張るよりも、周りの人たちに共有して味方を増やすのが近道です。

自分の取り組みを共有しておくと、応援やチャンスが自然と集まります。

ステップ3：公式な役割にする

継続して成果を出してきたら、正式な仕事にしていくタイミングです。

“会社に求められる存在”へ変わっていくのは、 このステップを丁寧に積み重ねた人です。

パターン2：転職で環境を変える3ステップ

「今の職場ではどうしても自分の強みを活かせない」と感じる場合は、 転職によって環境を変える選択もあります。

ステップ1：強みが活きる場所をリサーチする

どんな業界や職種で自分の強みが求められるかを調べてみましょう。

「自分の強みが生きる場所」を見つけることが、転職の第一歩です。

ステップ2：実績を言語化する

強みを伝えるには、“証拠”が必要です。

抽象的な言葉より、事実や体験を使うことで説得力が増します。

強みの言語化については、以下の記事に詳しく書いてます。

▶自分の強み言語化の極意｜専門家が教える具体的な方法と実例 

ステップ3：面接で伝える

面接では、STARメソッド（状況・課題・行動・結果）で語ると伝わりやすいです。

「何をしたか」ではなく「なぜそうしたか」まで話すことで、 自分にしかできない判断軸が伝わります。

パターン3：副業・独立で広げる3ステップ

「会社員として働きながら、自分の可能性も試したい」 そんな方におすすめなのが、このパターン。私もこのパターンで起業しています。

ステップ1：週5時間から始める

無理のない範囲で、できることから動き出しましょう。 たとえば週末や早朝に、自分の得意分野を活かした活動をしてみる。

ステップ2：発信して反応を見る

SNSやブログ、noteなどを活用し、小さく発信してみましょう。そのときに得られる問い合わせやコメントなどの反応は、自分の強みを映す“鏡”になります。

ステップ3：本業化を判断する

副業が軌道に乗ってきたら、本業化するかどうかを検討します。 得られた収入をもとに考えてくださいね。焦らず、自分のペースで「これを続けたい」と思える状態を目指しましょう。

• ここまでのまとめ

「自分にしかできないこと」は、見つけて終わりではありません。 小さく試しながら、少しずつ仕事や活動の中に取り入れていくことで、 その輪郭がはっきりします。とはいえ、ひとりで進めるのは迷いやすいものです。 

もしも、「自分にしかできないことを見つけて、その強みを活かしたいけれど、どう形にすればいいのか迷っている」 そんな方には、私が講師を務める 自分力活用講座 の受講を選ぶのも選択肢のひとつです。自分にしかできないことを理解し、“仕事の力”に変えるヒントを、実践的に学べる女性に特化した講座です。

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